~2017年の国政選挙の影響~
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更新日:2016/12/7
今年、マーケットに大きなインパクトを与えたイベントと言えば「イギリスのEU離脱」「アメリカ大統領選挙」ではないでしょうか。大国の国政選挙は市場に与えるインパクトが大きいです。また12/4にも欧州で2つの選挙が行われ、2017年以降も選挙は目白押しで注意が必要です。
12/4にオーストリアで大統領選挙が行われました。排他的な主張を掲げていたホーファー氏有利が一部報道されていましたが、移民の受け入れに寛容なファン・デア・ベレン候補が勝利しました。このニュースに関しては、マーケットは大きく反応しなかったように思います。
しかし、同日のイタリアの選挙結果は市場に影響を与えそうです。イタリアでは憲法改正の国民投票が行われましたが否決され、この結果を受け、提案を行ったレンツィ首相は辞任することになりました。これからイタリアは野党の台頭などでしばらく政治は混乱するでしょう。また野党はEUや通貨ユーロに否定的なので、EU離脱の議論が進む可能性すらあります。
この結果を受けて翌日の日経平均株価は値下がりました。もちろん要因はイタリアの今後の不透明感からのリスク回避のためです。
イタリアの銀行のいくつかは現在、経営難に陥っています。イタリアの大手銀行であるモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナは早々に公的資金を投入しなければ倒産するとまで言われている状況で、選挙後の混乱から資金投入が遅れるのでは?と不安視されていました。この問題、ひとまず12/6に目途は立ったようですが、他にも危ない銀行はあるので今後の動向には注意が必要です。次に危ない銀行として大手のウニクレディトの名前がすでに挙がっています。
憲法改正は否決だったので、これまでと何も変わらないはずなのですが、そこから派生してさまざまな問題が発生することもあるのです。
2017年の欧州政治イベントをざっくりとご紹介します。
どの国でも難民問題とEU離脱はテーマになると思います。EU離脱派の勝利は株価への影響も大きいのでニュースの確認は必要です。ただ、ブレグジットも米大統領選も事前調査から結果がひっくり返りました。メディアの予想を鵜呑みにし、決めつけで行動するのも控えたほうがよいでしょう。
この記事を書いた人:中野史雪