ノーベル賞関連株は買ってはいけない?-東京カフェ会通信

~ノーベル賞の影響で株価が変化した例~

資産形成に役立つ時事ネタを知る

ノーベル賞関連株は買ってはいけない?

更新日:2016/10/03

10月3日から2016年のノーベル賞の発表が始まっています。まずノーベル医学生理学賞に東京工大の大隅良典さんが受賞されました。年に一度のノーベル賞の発表、これまでノーベル賞の影響で株価が変化した例がいくつかあります。

村上春樹氏の例(株価が下がるパターン)

ノーベル文学賞に村上春樹さんがノミネートされています。この人、毎年のように候補として挙がっており、「正直なところ、わりと迷惑」と本人談。

もしも村上さんがノーベル賞をとったら、関連本が売れる!との思惑から、発表前に書店株が上がるのが恒例行事のようです。ただ、受賞できなかった場合は、失望売りが起こり、株価が一気に下がります。村上さんとしても書店としても、いい迷惑でしょうね。

ちなみに、1人の作家が書店の売上に大きく貢献するとは正直考えづらいです。受賞してもそこまで利益が上がるとは思えないので、受賞したとしても、中長期的には下がると考えられます。

梶田隆章氏の例(あまり変わらないパターン)

去年、東京大学の梶田隆章さんがノーベル物理学賞を受賞しました。素粒子のニュートリノに質量があることを証明しました。

その研究の助けとなったのが浜松ホトニクスという光センサーの会社です。発表時は、株価も上昇したそうですが、その後は上がりも下がりもしなかったようです。受賞をもっと宣伝活動などに利用すれば拡販も期待できたでしょうが、うまく活用できなかった例といえそうです。

田中耕一氏の例(株価が上がるパターン)

2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一さん。受賞をきっかけに彼が勤めていた島津製作所の株価が大きく上昇しました。一般会社員の田中さんが受賞したということで、当時かなりインパクトがあったことを覚えています。テレビでもかなり長い間扱われていましたし、医薬業界での知名度向上、顧客拡大などかなりの宣伝効果になったようです。

ノーベル賞関連株についてのまとめ

正直ノーベル賞関連は専門性が高いので、その分野の知識がない人間がなかなか手の出せる分野ではないと思います。もちろん、知識があれば買っても良いですが、誰が受賞するのか正直分かりませんし、当たっても株価に後見しない場合も多く、一種の賭け事のように感じます。

自分としては、静観です。一時的な情報にだけに振り回されず、中長期で成長していくかをしっかり見極めることが、投資家として大切なことです。


※投資は自己責任です。本投稿は特定の銘柄を推奨するものではありません。


この記事を書いた人:中野史雪

PAGE TOP