~失業率は低下したがその質は?~
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更新日:2016/09/07
日本の7月の完全失業率は先月から0.1%下がって3.0%となり、1995年以来の低い水準となりました。この数字自体は喜ばしいことですが、残念ながらその質が良くありません。
失業率が低下したのは女性、しかも非正規雇用の増加による要因が大きいです。所謂パートと呼ばれる人たちです。これらの形態は賃金が少ないので、世帯所得を大きく改善する材料にはなりにくいのが実情です。
通常稼ぐお金が増えれば使うお金も増えるのですが、今の日本はそうではないようです。それをあらわすように夏休みに使うお金は減っているようです。2016年夏休みに使うお金の平均は去年から5.6%減の8万4332円でした。山の日などで休みが増えた人も多かったと思いますが、消費には結びつかなかったようです。
パート、アルバイトでは超えることで負担が増える「壁」が存在します。
アルバイトの経験のある人で「年間103万円を超えてはならない」と聞いたことがあると思います。多くのパート、アルバイトがこの金額以内に収めようとする為、この雇用体系は世帯所得に対するインパクトは小さいです。さらに2016年10月からは「106万円の壁」も始まるようです。条件が複雑ですが、パートの方は調べてみると良いと思います。
失業率が改善することは良いことですが、質も改善させないと景気は良くならないでしょうね。手放しでは喜べない発表でした。
この記事を書いた人:中野史雪