トランプリスク?クリントン候補の勝利と日本の景気-東京カフェ会通信

~11月8日にいよいよアメリカ大統領選~

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トランプリスク?クリントン候補の勝利と日本の景気

更新日:2016/11/7

ここ数カ月、市場はアメリカ大統領選に振り回されてきましたが、11月8日にいよいよアメリカ大統領選が行われます。投票がすべて終了するのは日本時間の9日午後3時、体勢はその日の夜、接戦になれば深夜に判明するでしょう。

もはやリスク扱いのトランプ氏の勝利

大統領候補の共和党トランプ氏ですが、

  • 過激な発言を繰り返している為、当選した場合の先行きが不透明
  • 市場はすでにクリントン氏の勝利を織り込んでいる

などの理由から、市場ではトランプ氏が勝利するシナリオを「トランプリスク」と呼んでいます。トランプさんにとっては大変不名誉なことですね。

トランプリスクはテールリスク(起こる可能性は低いが、インパクトの大きいリスク)の1つです。実際、トランプ氏有利のニュースが流れると円高リスクオフに動きますし、トランプ氏がもし当選してしまった場合、1ドル95円を予想するジャーナリストもいます。

クリントン氏勝利の短期的シナリオ

11月に入り、クリントン氏の私用メール問題が再燃しましたが、日本時間の7日朝にFBIが同氏に訴追を求めないと発表しました。投票前の発表にクリントン氏にとっては追い風となるでしょう。

7日は1円以上円安の104円台になり、日経平均株価も17000円台を回復。クリントン氏に有利なニュースによりリスクオンの流れになりました。同氏勝利の場合は、安心感から短期的には円安株高となるでしょう。

クリントン氏の中長期的シナリオ

クリントン氏はすでにいくつかの政策を表明しています。

  • TPPに反対(ただし、就任後に態度を変えるという噂も)
  • 最低賃金を引き上げ景気を後押し
  • 議会は共和党が優勢の為、民主党のクリントン氏とねじれ国会状態に
  • ドル安政策(=円高の流れ)

政策が実現すれば、日本への恩恵は少なそうです。市場はリスクオンですが、クリントン氏が当選した時のリスクもしっかり考えておきたいです。


この記事を書いた人:中野史雪

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