~ニュースを見るときの視点~
資産形成に役立つ時事ネタを知る
更新日:2017/4/18
各所で人手不足が叫ばれていますが、コンビニ業界も例外ではありません。コンビニ業界自体は堅調な売上高なのですが、人手不足による人件費が高騰し、加盟店の利益を圧迫しつつあります。加盟店のオーナーを守るため、本社もあれこれ対策をしていますが、利益の圧迫は避けられそうにありません。
コンビニ大手3社(セブンイレブン・ローソン・ファミリーマート)のコンビニ単体の営業利益率(※)は年々低下傾向で、各社は2017年度も1-3%低下すると予想しています。
※企業の収益力を示す指標で、高いほど採算の良い企業といえる
ご存知のように多くのコンビニはフランチャイズ店であり、本部と契約したオーナーが経営しており、加盟店保護のため、コンビニ各社は対策に乗り出しています。
例えばセブンイレブンはコンビニオーナーの負担軽減のため、加盟店から受け取る手数料を1%減額することを決めました。また、ファミリーマートは光熱費や廃棄ロスの本部負担額を大幅に増やして加盟店の支援を強化します。もちろんこれらの対策は企業の利益を圧迫することになります。
人手不足対策も行われつつあります。セブンイレブンは今期中に全店舗に食器洗い機を導入し、人が洗う手間を省きます。また、経産省がコンビニにセルフレジの導入を推進することを決めたため、2025年までに国内のほとんどのコンビニでセルフレジが利用できるようになります。
私が今日伝えたいのは、コンビニの利益が圧迫されるとか、よくなる、といったことではありません。このニュースでどの企業の利益が上がりそうか、ということです。
例えば、セブンイレブンの全国2万店舗に食洗器が導入されれば、導入時はもちろん、その後のメンテナンスや機器入れ替えなどを考えると受注したメーカーの売上にとって大きなインパクトになるでしょう。
どこが受注するかはまだ分かりませんが、街中で食洗器を使ってる店のメーカーを見てみる、セルフレジを探してメーカーを確認する、など下調べをしてみるとよいと思います。どのニュースを見るときもこのような視点を持つように心がけています。
この記事を書いた人:中野史雪