本や雑誌で無駄な保険と言われるけど実際のところは?
現在、民間の保険会社から販売されている医療保険は入院保障がメインとなっており、例えば「1日入院したら日額5000円貰えますよ」といった形になっているのがほとんどです。
医療保険は本や雑誌ではよく無駄な保険と言われています。「医療保険には入るな」といったタイトルの本も出されたりしています。
実際の所はどうなのでしょうか?
今の日本は社会保障制度が充実しており、高額療養費制度などによって医療費の自己負担額はかなり抑えられています。
実際、日本において高額な医療費が発生したために家計が破綻したといったケースはあまり聞いた事がありません。
また、入院期間の短期化から入院日額に基づく医療費保障は段々と価値が薄れていってるのかもしれません。
こういった現状から、現在の社会保障制度と医療制度においては、いざという時に医療費が払えるだけの貯蓄が十分に備えられていれば民間の保険会社の医療保険は不要と言えるかもしれません。
ただ、現状貯蓄が十分に備えられていない方や、 先進医療など健康保険適用外の治療に備えたい方や、今後恐らく社会保障費の増大により医療費の自己負担額が増えていく事を想定すると、健康状態の良い内に最低限の医療保険に加入しておくのも一つの備えかもしれません。
また、病気の中でもがんは治療が長引く可能性もあり、治療費が高額になったり長期療養に伴って収入が減少してしまう事もあるためがんに対しては何かしら備えておいた方が良いと個人的には思っています。
一般的な医療保険とは別にがん保険という商品も保険会社各社取り揃えています。
最近ではがんは入院しなくても受けられるがん治療が増えてきており、化学療法(抗がん剤治療)については厚生労働省が外来化学療法を推進していることもあり、通院(外来)による治療が増えてきています。
早く退院して通院で継続治療というスタイルが定着しつつあり、そのためがん保険は入院時の保障だけでなく、がんと診断確定されたら一時金が支給されるものや、抗がん剤治療や放射線治療など入院とは関係なく治療に伴い給付金が支給されるものがほとんどです。
医療保険も最近では入院の短期化に伴って日帰り入院や通院も保障されたり、入院時に5日分まとめて一時金を支給されるタイプや、70歳になったら今まで払い込んだ保険料が全額戻ってくるといった効率的な医療保険も出てきているので気になる方は一度検討してみてもいいかもしれません。
この記事を書いた人:
ファイナンシャルプランナー 松井大輔