グレーな部分が多い不動産業
不動産業はグレーな部分(違法になるかならないか微妙なところ)が多いと言われます。もちろん、そんなことはなく真面目に営業している不動産会社もあるでしょう。しかし、私がこれまで出会ってきた不動産会社はそんなキレイなところばかりではありませんでした。
当然のことながら、不動産会社と一言で言ってもさまざまです。自分たちが儲けられればそれでいいと考えているところ、営業電話を頻繁にかけてくるところ、家の前に車をつけて待ち伏せしてくるところ、そうかと思えばお客さんを第一にしっかり考えているところ。
こういった不動産会社にはどれも実際にお会いしたことがあります。そんな不動産会社の中で、私がこれはやり過ぎなのでは?と思えた不動産会社の営業手法があったのでご紹介します。(紹介してもよいものなのかとも思いましたが、もう数年前の話なので時効ということで…。)
その話に入る前に、前提としての知識をお伝えしておきます。家を購入しようと考えたことのある人なら住宅ローンは身近なものではないでしょうか。
さて、一人の人が組める住宅ローンというのは大抵一つであり、平均的なサラリーマンであれば、三千万~四千万円程度が借入可能額になるかと思います。そのため、三千万円ほどの物件を住宅ローンで購入した場合には、通常すぐに次のローンが組めるわけではありません。
ローンを組むとその情報はCICやJICCといった信用情報機関にいきます。(もちろん、クレジットカードやキャッシングの情報も同様です。)そうなると、どこでローンを組んでいるかも筒抜けですし、ここですでに数千万円の住宅ローンを組んでいるという情報が伝わっていれば、もう新たに住宅ローンを組むことは困難です。
しかし、銀行でローンを組んでから信用情報機関に情報が伝わるまでに多少のタイムラグがあります。それを利用した上手い?やり方をしている不動産会社がありました。
つまり、信用情報機関に情報が伝わる前に、ほとんど同時というタイミングで物件を複数、それぞれで別の金融機関で住宅ローンを組むというものです。
これで上手くことが運べば、一人のお客さんが自身の信用枠である三千万円を遥かに超えた一億円のローンを組み、あっという間に新築物件を三件同時に手にすることができるのです。
分散投資にもなりますし、いいかもしれませんね。と言いたいところですが、不動産会社の利益が多く乗っている新築物件で、しかも複数購入して不動産投資を成功させることは困難だと言わざるを得ません。やめておいた方が良いでしょう。
ちなみに、家の前に車をつけて待ち伏せしてくる業者も厄介でした。いくつもの不動産業者に話を聞いてみて、良さそうな物件や業者を探していた初期の頃の話です。
一度詳しく話を聞いてみようと思い、家の近くのファミレスでその業者の方と会いました。この時点で相手は二人組だったので若干の警戒です。話を聞き終わり、自分の求めている物件ではないなと思ったので、その日はお断りさせていただきました。
しかし、簡単には帰してくれませんでした。最初は好意的な態度だったにも関わらず、断る意思を伝えたときから相手は高圧的な態度に変貌したものです。
私はどちらかと言うと断るときは、相手に期待を持たせたり、時間を取らせたりするのはよくないと考えているので、ある程度はっきりお断りさせていただいています。それでも、駐車場に着いてからも買えよ買えよといった感じでずっと言ってきていました。深夜にも関わらず迷惑でした。
次の日くらいだったでしょうか、懲りずにまた営業電話がかかってきました。もちろん、ここでも断ったのですが、さらに、2、3日が経った頃、挙句の果てには、家の前に車をつけての待ち伏せでした。ここで強めに断ってようやく相手は諦めてくれましたが、ここまでしつこい不動産会社もあるのです。
数年前の話ですので、今は規制も厳しくなってきているでしょうし、さすがにこれらのやり方はもう存在しないかもしれません。ですが、悪知恵が働く人たちは多いもので、きっとまた新たにお客さんからお金を巻き上げる手法を考えてついていることでしょう。
不動産投資をする上で信頼できる不動産会社を見つけることは大切です。信頼できる不動産会社とパートナーを組むことで資産を築いていけると良いですね。
この記事を書いた人:
不動産投資家 岡竜一